カテゴリ: 著作権

貸与権の使用料規程決まる

2006/09/04 22:50 | 著者: Jun MUTO [mail] | カテゴリ: 著作権

新文化 出版業界紙 サイトのニュースフラッシュの8月31日分に、貸与権管理センターの使用料規定が決定したと記事が出ていました。(「Copy & Copyright Diary - 貸与権管理センターの使用料規定決定」より)

貸与権管理センター サイトの「権利者の皆様へ」ページに、使用料規程が載っています。(使用料規定は権利者向けページではなくて「レンタル店の皆様へ」ページに載せるべきものだと思うけど)

ただし、文化庁 の「著作権等管理事業者検索」で「有限責任中間法人出版物貸与権管理センター」を見ても、今のところ使用料規程は「未提出」となっていますが。(2006年9月4日現在)

ひとまず、以前から貸与権管理センター側が主張していた貸与禁止期間の設定がなくなったのは、良いことだと思います。(参照:「書籍・雑誌の貸与権交渉の問題継続中」、「異常事態(6)」)

それにしても、この金額で貸し本屋はやっていけるのでしょうか。このサイトでも「書籍・雑誌の貸与権交渉の問題継続中」の記事で紹介した一年半以上前の提案と、金額的にはあまり変わっていません。(開業時等の一括大量購入の際には条件付きで割安な使用料が利用できるようですが)

使用料はあまり変わっていないのですが、貸与権管理センター「資料」ページの「管理委託契約約款 2006年6月変更届出」(PDFファイル)によれば、使用料から手数料として貸与権管理センターが受け取るのは「30%を超えない範囲」(ただし附則で最初の三年間は「48%」を超えない範囲とされている)だそうで、以前の約70%という話に比べれば手数料は減っているようです。

しかし、手数料がこれだけ減らせたのであれば、使用料自体も減らせるんじゃないかと思ってしまいます。使用料の金額が先にありきで決められているんでしょうか。それとも一年半前は、たいした試算もせず根拠なしの数字を提示していたということなのでしょうか。

他に、「Copy & Copyright Diary - 「旧来のいわゆる「貸本屋」」って何?」で指摘されている、管理委託契約約款に記された使用料の免除の対象についての記述に不明瞭な部分がある、という問題も気になります。

版面権、再び

2005/04/09 23:27 | 著者: Jun MUTO [mail] | カテゴリ: 著作権

「文字・活字文化振興法」は「新聞・出版産業保護法」か。(《陸這記》 crawlin’on the ground)
および
万来堂日記: 再び浮上する版面権
より。

超党派の「活字文化議員連盟」によりまとめられた「文字・活字文化振興法」法案骨子に、マスコミ報道ではまったく触れられていませんが、音楽におけるレコード会社の著作隣接権同様の権利を出版社に与える「版面権」の創設が含まれています。(「国会/活動報告 文字・活字文化振興法の施行に伴う施策の展開 3・31議連総会提出(衆議院議員 ひだ美代子のホームページ)」参照)

万来堂日記と《陸這記》双方で指摘されていますが、この「版面権」(出版における著作隣接権)は、過去に議論され、日本経済団体連合会から一蹴されて、物別れに終わっているものです。
(「文化審議会著作権分科会法制問題小委員会(第2回)議事録 [資料1-G](文部科学省)」より)
この件については、「文字・活字文化振興法」は「新聞・出版産業保護法」か。(《陸這記》 crawlin’on the ground)」の追記部分そもそも「版面権」という言葉がおかしい(《陸這記》 crawlin’on the ground)が非常にわかりやすいと思いますので、当サイトをご覧になった方にはぜひ見ていただきたいです。

私が「版面権」創設について心配するのは、「版面権」のない現状でも、金銭面などで優位に立つ出版社が作家・マンガ家・ライターの権利を抑えつける場面が見られるのに、著作者の権利と同等の権利を出版社が持つことによって、どれほど著作者の権利に影響を及ぼすか、ということです。

さくら出版マンガ原稿流出事件の際に、「漫画原稿を守る会」の賛同者に名を連ねていることを理由に仕事の依頼を取り消された事例が、「走る!漫画家 漫画原稿流出事件」(渡辺やよい著) で紹介されていましたが、これなどは出版社が著作者の権利を軽んじていることを示す顕著な例でしょう。
(「漫画原稿流出事件(Copy & Copyright Diary)」より)
現状がこのような有り様であるのに、出版社のための新たな権利を創設することが、今回大仰に掲げられた目的「文化振興」に寄与するとは到底考えられません。

書籍・雑誌の貸与権交渉の問題継続中

2004/12/18 23:48 | 著者: Jun MUTO [mail] | カテゴリ: 著作権

書籍・雑誌の貸与権交渉決裂の続報 の続き。ひとまずメモのみ。

一旦交渉が決裂した後、貸与権管理センターは、CDVJ に口頭で次のような提案を行っています。

  • 貸与禁止期間は3週間。
    (新刊コミックのみか書籍も含むのかわかりませんが、どちらにせよ当初の「新刊コミック貸出禁止期間 3ヶ月、書籍貸出禁止期間 6ヶ月」よりは短くなりました。)
  • 使用料は仕入1冊あたり280円。内訳は次の通り。
    • 著作権所有者に80円。
    • 貸与権連絡センターの他、法律上料金を受け取る権利の無い出版社と取次とを合わせて、200円。

出版社と取次の取り分を制度的に確保しようとするのは、法律の上では請求する権利が無いのですから、詐欺まがいの行為に近いと言えると思います。(個別に納得の上で契約を結ぶのなら別)

ARTS : 「もっとゲームをしたいのに」掲示板

試される。(ココログ mix)

Copy & Copyright Diary

The Trembling of a Leaf

CD輸入禁止、4年

2004/10/29 22:29 | 著者: Jun MUTO [mail] | カテゴリ: 著作権

CD輸入禁止、4年? でも書きましたが、「還流だけでなく国内版が発売されている海外CDすべてが対象になりうるCD輸入規制の期間」を、本日(2004年10月29日)、政府が閣議で「4年」と決定したそうです。
(CD逆輸入禁止期間は4年 著作権法施行令改正(KYODONEWS Flash24))

以前の記事に書きましたが、これは過剰に長い期間と言えるでしょう。

著作権法改正要望のパブリックコメントを追跡する には、文化庁が本日、マスコミに配布した報道発表資料 が掲載されています。

これによれば、文化庁は、「音楽レコードの流通期間は7年程度」、「法律上、還流防止措置の対象期間の上限は7年」、「アジア地域でライセンスされているようなアーティストのヒットタイトルは、トータルの売上枚数の大部分を発売から1年半程度(初動期間)で売り上げている」、「初動期間の1.5年と制度上の上限である7年の中間値である「4年」」、という理由で、「4年」に決定したそうです。
しかし、法律上の上限と「1年半」との間で中間を取る理由がさっぱりわかりません。

さらに言えば、「1年半」というのも、これまでの Free Music WatchdogMusic Watchdogs の調査による「半年」という数字に比べるとかなり長いものです。

文化庁の報道発表資料では、次のように説明されています。

 しかしながら、個別のタイトルに係るその後の売上げ推移を見ると、当該初動期間を超えて数年経ってからもなお、週に何千枚、あるいは年に何万枚という売上げを上げる例が見受けられるなど、その推移は多様である。
 よって、1.5年で直ちに対象から除外することは適当ではない

下線は文化庁の資料に引かれているものですが、それよりも私としては、下線の引かれていない部分、「個別のタイトルに係る」、「週に何千枚、あるいは年に何万枚」、「例が見受けられる」、といった文言が気になります。
全体としては1年半以上に設定する根拠はないが、ごく特殊な例を見つけ出してきて(例えば、過去のヒット曲がドラマやCMで利用されたことによるリバイバルと言われるような売上げの上昇)、無理矢理こじつけることが可能な限界まで期間を長く設定した、としか読めないのです。これは私の僻目でしょうか。

書籍・雑誌の貸与権交渉決裂の続報

2004/10/29 20:35 | 著者: Jun MUTO [mail] | カテゴリ: 著作権

すでに前の記事でも書きましたが、書籍・雑誌の貸与権についての関係者間の協議が決裂しました。

貸与権の関係者協議が決裂 (Rainbows’ Notes♪) に関連サイトの引用やリンクも含めて、まとめられています。

この Rainbows’ Notes♪ では、レンタル実験店(すばる書店白井店)報告書の怪 として、文化審議会著作権分科会法制問題小委員会の資料に問題があることも指摘されています。

この実験結果から言えることは、出版業界の希望通りに貸与権が運用された場合、経済合理性からしてレンタルコミックが拡大することはないということだ。とすれば、先の著作権法改正は実質的なレンタル禁止をめざすものだったのかもしれない。

また、Copy & Copyright Diary では、関連記事が追加されています。

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